2026年2月19日 日比谷中田 M&Aニュースレター Vol.36 (2026年2月号)

お知らせ
事務所主催セミナー
『企業価値評価の仕組みと買収価格の算定・調整』
【開催日時】2026年2月25日(水) 13:00~14:00
【開催形式】WEB配信 (Zoom Webinar)
【参加費】無料 (事前登録制)
【申込締切】2026年2月24日(火) 12:00まで
【講師】中田順夫 弁護士
【申込】Webinarに申し込む
『日本の上場会社M&Aの最新トピック』
【開催日時】2026年3月25日(水) 13:00~14:30
【開催形式】WEB配信 (Zoom Webinar)
【参加費】無料 (事前登録制)
【申込締切】2026年3月24日(火) 12:00まで
【講師】中田順夫 弁護士、辻裏光希 弁護士
【申込】近日HPで案内予定
最近の関与案件
株式会社ルネットによる株式会社パリミキホールディングスに対する公開買付けに関し、関口尊成、名古屋秀幸、春山莉沙、栗崎雅也の各弁護士が株式会社パリミキホールディングスの特別委員会のアドバイザーを務めました。
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最新トピック
『インドM&AとFEMA』
文責 関口尊成、木下美希
インドM&Aにおいて、Foreign Exchange Management Act(FEMA)の理解は重要です。FEMAはインドの為替管理法であり、外国為替取引を規制するものです。
まず、FEMAの下位規範である価格設定ガイドラインでは、インド非居住者への株式発行または譲渡は、所定の評価手法により算定された公正市場価値(FMV)を下回ってはならないと規定されています。このため、買収価格の設定は、こうしたガイドラインを遵守して行われなければなりません。
また、FEMAは、繰延対価に厳格な条件を課しています。すなわち、買収価格の25%までしか繰延できず、その支払いは18か月以内に決済されなければなりません。こうした規制はアーンアウトの設計(時限や価格の調整幅)にも影響します。
なお、インドの実務では、外国投資家はEBITDAベースのアーンアウトを用いることが多いですが、製造業などの分野では、税引後利益、売上高ベースのアーンアウト(特別損益、関連当事者取引、会計方針変更等の調整が加えられることもあります)が用いられることがあります。これらの指標が好まれる理由としては、インドの会計基準またはIFRS下で監査が容易であること、インド会社法に基づく法定提出書類と整合性があること等が挙げられます。
加えて、FEMAの規制やインド銀行実務により、減額方向の価格調整は困難であるため、クロージング時に支払われる買収価格が仮のものであり、今後確定することを明確にしつつ、価格調整を担保するために(クロースボーダー送金を必要としない)インド国内のエスクローを設定することもあります。
インド国内のエスクローとは、エスクローエージェントをインド国内の銀行または金融機関とし、インド国内の口座を用いるものです。典型的なエスクローエージェントは、信託銀行ではなく指定商業銀行(Scheduled Commercial Banks)であり、手数料は取引規模や複雑さに応じて、通常、エスクロー金額の年率0.1%から0.5%の範囲です。
上記では、インドのFEMA規制の一部について、簡単に触れましたが、インド案件では、プロモーターの存在等、その他多くの特殊性がありますので、ご注意ください。